Saturday, September 30, 2006

「インドビジネス-驚異の潜在力」を読んで

インドビジネス-驚異の潜在力 祥伝社新書 島田卓 著を読んで

世界に残された巨大市場IT業界の人材の宝庫といわれるが、これはある意味一面しか表していない。インドには無数の言語、理解の壁を越えた社会制度、因習等被支配民族としての国民性があるという。ビジネスを行うにはまずインドの現状と国民性を知る必要があるそうだ。

インドの人に一貫性を持たせつつ、それを継続的に行わせることは非常に難しいと言われる。いい加減な説明はもとより、聞くからに立派な説明でも、拠って立つ根拠が明確でない場合には、何でそういう事になるのか、徹底的に説明を求める必要があると!
常に念頭に置いておく必要性があることは、2C,2TとPだと。
Continuity(継続性),Consistency(一貫性)
Transparency(透明性),Timing(タイミング)
Predictability(予見性) だそうだ。

インド工科大学(IIT)→MITを模したといわれるが、IITがどの位難しいかというと、インドではIITに落ちたらMITに行けといわれ、半ば冗談と思えるだろうが、本音だそうである。

著者曰く、インド人は、自己主張が強く話し出したら一人でしゃべっていて他の人に話をさせない「自己中心思考回路」を持つという。一方日本人は何も言わない、何を考えているか分からない「日本人は他人中心思考回路」を持つということで、以前のジョークで触れた「至難の業」にもでているようなジョークが生まれている。

1947年のインド独立に際し、無数の言語と人種の集まりであるインドを独立に導くためにマハトマ・ガンジーや初代首相ネールが使ったプロパガンダが、自尊心と自信であった。圧制と収奪という悲惨な外国支配に抑圧され続けたインド国民を奮い立たせ、インドの民衆に自国が持つ数千年の歴史とインドの文化の栄光を叫び続けた。人間は徹底的に言い含められる(洗脳される)と、自己顕示欲の強い、自己中心的な思考回路ができてしまうらしい。

1991年の国勢調査では、インドで話される言語は3372、このうち1万人以上が話している言語が216、すなわち1万人にも満たない言語を話している言語が3000以上あるという。一枚のお札に17言語の金額表示がされているそうだ。

気になるのは、インドの人口が2035年に15億人を超え中国を抜くといわれている。今のインドが中国のような急激な経済発展を遂げるかどうか分からないが、いつまでも今のままでいることはあるまい。エネルギー、食料問題など、地球はどうなっていくのだろうか。先が思いやられるが、心配のし過ぎだろうか?

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