Monday, March 26, 2007

世界の所得格差




2006.12.06に世界の富裕層1%が世界の富の40%を所有と書いたが、ここでは世界各地域の貧困層がどのくらいいるかを示す分かり易いグラフについての紹介があったので参照して引用してみた。(ケネディースクールからのメッセージで紹介されていた「Gap Minder」より「格差の万人」1998年設立NGOで大学や国際機関と連携し様々な統計データを目に見える形で無料提供するサイト)(グラフ中地域別表記文字は私が挿入したもの)

2005年発表の2000年データによると最初のグラフで1日当たり収入のグラフで$1/day以下の人達は世界の人口の20%の割合を占め、それらの人達の収入はたったの2%、上位20%の人達の収入は全世界の74%を得ているという。

地域・グループ別で見てみると1日1$以下の収入で暮らす人達は、アフリカ、東アジア、南アジアで大部分を占めていることがわかる。

OECD(経済協力開発機構:ヨーロッパを中心として日米を含め30カ国の先進国)諸国は勿論$1/dayの人達はいない。世界の貧困層がいかに多くいるのか、又その偏りとその深刻さが解る気がする。
2000年時点で世界の人口60億人のうち実に12.8億人(全世界人口の21%)が1日1$以下の収入しかない。

このような状況の中で人が生き続けるために環境問題(地球温暖化に伴う炭酸ガス放出等)を含め貧困に伴う世界で起きている色々な問題を解決しなければならないという難しい舵取りをどの国も協調してやっていかなければならない。難しい課題が突きつけられている。

Saturday, March 24, 2007

「数に強くなる」を読んで

「数に強くなる」畑村洋太郎 著 岩波新書
「失敗学のすすめ」で知った畑村教授の「数に強くなる」をよんでいて感じた点があった。
数字ではなく数(かず)だという。「数字はシンボルだという」シンボルに強くなってどうする。この本は数学という抽象概念ではなく現実的な日常生活で考える本だという。

数とは①種類、②狭い意味での数、③単位であり、これらの構成要素を全部揃えて数を作った時に初めて物事の数量的な属性を記述できるという。

数に強い人、数に強い人の頭の中、頭の中で全体を作る等と言われると確かに自分からそれらの数をたどれる、創れる人が世の中にはいるものだということを以前職場で感じていた時期があった。やはりその人も普段からそのようなトレーニングというか自覚を持って仕事をしていたのだろうと思う。このようなことが書かれた本を読んで面白いものだなと思った。

また、この本の中で英米の数の数え方(意味)の違い及び単位の区切りの違いは初耳であった。日本人は当たり前のように米国式を認識しているのではないか?
英国
million:百万(1の6桁先、1000の2乗)
billion:1兆(百万の6桁先、millionの2乗)
trillion:100京(1兆の6桁先、millionの3乗)

米国
million:百万(1の6桁先、100の3乗)
billion:10億(1の3桁先、1000の3乗)
trillion:1兆(10億の3桁先、10000の3乗)

ちなみに日本(中国)

万(1の4桁先)
億(万の4桁先)
兆(億の4桁先)
京(兆の4桁先)

更に東京の地下鉄について「ハタムラ式地下鉄利用術:1駅2分の法則」で2-3-5という数字を覚えておく地下鉄を利用してどこかに行くときの所要時間が割り出せるという。1駅間の所要時間は2分、待ち時間3分、乗り換え時間5分で大体言い表せるという。これはなるほどよく言い表していると思う。

このような日常自分で基本を追って物事を考え・創ると意外と便利に賢く仕事や生活する事が出来る。軽く読める面白い本だった。

Saturday, March 17, 2007

ポピュラーサイエンスと循環論法の問題

3月15日読売新聞の「「テレビ番組と専門化」~科学的正確さを忘れるな~」(神里達博 社会技術研究開発センター・研究統括補佐 著)を読んで感じること。

田舎で育った身としては、小中学生の頃まで校長先生、教育長、町長など自治体の長と呼ばれる人達は、それ相応の見識と威厳を持っていると感じていた。ましては、大学の教授や博士号を持った人達はとてつもなく大きく遠い存在にあったことを覚えている。今でも実際には遠い存在。

ところが最近テレビ等マスメディアの影響もあって種々の専門分野の最先端の研究などの一端がそれらの専門家の科学的知識を一般の素人に向けても「わかりやすく」伝えられる機会が多くなってきていると述べている。この現象が科学的な正確さをあやふやにさせてるという面もあるというが、その通りだと思う。

特に食品(食物)と体の健康や運動と体の健康に関するテーマに多く感じる。科学的知識や知見に関して一面的な報道の仕方を強調した番組が多過ぎる気がする。

メディアの報道に対して、人の健康に関していえば、プラセボ効果といわれるくらい精神的・心理的な内面的影響が科学的によく解明され説明されていないこと。西洋医学と東洋医学の違いなどと同様に説明が難しく、ましては流された情報に反論しかねるというより、反論するエネルギーを(くだらないものへと)注ぐだけのテーマとはいえないというのが本音だろう。しかし、あたかも本当らしくまた、メディア側がバラエティー?番組化しているのか明確さに欠ける中、ワンサイドの視点を注意しようなんて気が起きない事があるのではないか?

「発掘!あるある大事典」の場合は、科学的知識とか正確性という問題ではない。捏造そのもの。
このような中、都合のいい所だけを専門家の発言、見解と称して披露される。その番組の権威付けを勝手にしてもらうように思われる。

一方、このような中で専門家としてメディアに登場する学者・評論家・研究員のメディア露出度そのものが、その専門家としての正当性に映ってしまっているという現実もある。(出れば出るほど評価される、又出る機会が出る)これを循環論法というそうだ。現代社会の中で特に科学技術の進歩とその専門分野の細分化によって、確かに自分の専門以外はよくわからない(分野が異なると急速に理解が困難になる時代=タコツボ化)ということが一般論として起きているに同感。

しかし、その最先端の科学技術の進歩を社会にやさしく伝える努力も必要であるし、真の専門家の社会性を育て高める事も含めてバランスが問われているという。社会はもっと「科学的な正確さ」と「わかりやすさの仕組み作り」といった側面に敬意を払っていくべきだと。

Saturday, March 10, 2007

石和温泉とワイン工場


少し日にちが経ったが2月末石和温泉に行って来た。
今回は温泉目的のため何処に行くと決めていたわけではなかったが、途中お昼は「ほうとう」(ひもかわうどんを野菜と共に味噌仕立ての汁で煮込んだ麺料理の一種)をご馳走になり満足。勝沼では息子達がワイン工場の見学を予約してくれていた。

工場内の見学をしていると日本では珍しいコルクの木だという。もう一本あったが大雪の年に駄目になったらしい。にほんではこのように大きくなるコルクの木は珍しいというが、その珍しさを殆ど知らない。西地中海地方ポルトガルなどに主に生息するという。まだまだコルクを取るには年数が足りないようだ。コルクの木は地球に優しく環境の面からも見直されているという。

工場見学をした後ワインの試飲を相当種類できたが、アルコールに弱い私は試飲をしているうちにもうかなり酔いが回ってきた。酔いが回ってきた勢いでワインを結構買ってしまったが、ワイン工場としては宣伝と販売が目的でしっかり商売が出来ているのだろう。

どちらもハッピーでウィン・ウィンの関係であったのか?

桜の花の次は菜の花



3/7~8と南伊豆に行ってきた。既に南伊豆下賀茂・青野川両岸の桜は葉桜となっていた。やはり今年は暖かいからであろうか。桜祭りに観光バスで来る人達は大勢いるが、葉桜を見て帰るという感じでがっかりであろうと気の毒に思う。自然相手でその季節ならではの観光もなかなか難しい。

近くの畑一面(弓ヶ浜の手前)に咲く菜の花は何処に行っても今咲き誇っているが、まとまると結構見応えがある。南伊豆といっても丁度この7日~8日は全国的に寒さが強く結構吹く風も冷たかった。菜の花畑の後ろ側(弓ヶ浜方面)を望む景色がもう一枚の写真。

でもやはり春がそこかしこにやってきている感じがする。

一人暮らしをしている父の具合が少し心配で様子を見に行ってきた。もうすぐ89才となるがさすがに体のあちこちが高齢化の影響からかかつての面影が見られなくなった。体はエイジングしていても気持ちの持ちようなどについてはまだまだ見習うべき点が多い。いつも感心をする。あの年齢になってもへこたれない強靱さが何とも羨ましくパワーを貰う感じだ。何事にも弱音をはいたり沈んだりすることがないが、この年齢になってあまり頑張らないで欲しいと願う。今の時代に育った我々とはどこか違う。

Thursday, March 01, 2007

主要国のCO2累積排出量割合



ジェームズ・ハンセン コロンビア大学教授の研究論文発表によると産業革命以降の250年間に世界中から放出された炭酸ガスの累積は、下記の通りだという。(GlobalWarming:Connecting the Dots from Causes to Solutions (Dr. James E. Hansen 26 February 2007)及び読売新聞2/27より)

①米国  27.8% 
②中国  7.8%
③ロシア 7.5%
④ドイツ 6.7%
⑤英国  6.1%
⑥日本  3.9%
⑦インド 2.4%
⑧,⑨カナダ・オーストラリア3.0%

○他のヨーロッパ諸国18.3%
○他の世界の国々  12.5%
○船舶/航空機    4%

これを見るとアメリカが世界の中でも突出した炭酸ガス放出国であることが分かるが、今現在温暖化防止条約を批准していない。
しかし、徐々にではあるが危機感を抱くアメリカ人が増えていることも確かである。それは、アカデミー賞を受賞したアル・ゴア前副大統領の「不誠実な真実」(最優秀長編ドキュメンタリー賞、最優秀歌曲賞2部門受賞)やカリフォルニア知事のシュワルツネッガーらが積極的に余りか国民に訴えかけていることも功を奏しているといえる。

国連加盟国が192カ国?あるため9カ国(約0.5%弱)で65%を占めていることになるが、国の数で排出量を見るのは余り意味がない。人口割合で見てみると9カ国で約32億人で世界人口が63億人(2006年)であるため約50%の人口が65%の炭酸ガスを放出していることになる。これは中国、インドが含まれているため人口が多くなっているが、これら2カ国は絶対量としてどんどん排出量が急速に伸びていく国であることから、排出量はすさまじい量になるものと予想される。

ますます地球はどうなっていくのだろう?という気がする。東京は1mの海面上昇でも広範囲に渡って0m地帯が出てしまう。温暖化問題は先進国と発展途上国といった問題が絡み非常に大きな問題であることは確かだ。