Sunday, December 24, 2006

用材性ってなに?

ドイツのハイデッガーが「実在と時間」の中で用いている概念で、世界の内部構造を大工道具のハンマーの機能から説明しているという。その在り様においてまさに道具がそれ自身から自己を露呈するときの、その存在様式を私達は、用材性と呼ぶ。ハイデツガーによれば、ハンマーには「用材性」がある故に、使用されうる。道具の「用材性」とは、その道具が他の道具と相互関係にあり、そのような相互関連のもとで初めてその機能を発揮できる、ということであるという。

私には、なかなか難しくてその本質が全くと言っていいほど理解できていない。

もっとわかりやすく言うと次のような使い方をしている本があった。
例えば、普段は郵便ポストなど気にしない人でも、手紙を出さなければならない時になると、ポストが何処にあるか考える。これを「用材性」というそうだが、人間は自分の手段や目的に合わせて物事を把握しようとするという事のようだ。(インテリジェンス 武器なき戦争 幻冬舎新書より)

アメリカ合衆国が、イラク攻撃に入る口実としてサダム・フセインとアルカイダ(ビンラディン)が関係をもっているらしいということ、大量破壊兵器がイラクにある筈だといったこと、その情報がアメリカにとって好都合の情報であるから正に上述の目的に合わせた物事の把握となってしまったのか?

同じようなことが事の大小を問わず我々の身近な中でも往々にして起きている、敢えて起こしている人が如何に多いことか。余りにも他人を疑うというより自分の理解や検証で納得できた事にたいして表現したり行動することにしていきたいと思う。

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