Saturday, January 20, 2007

心臓の容量(能力)は?

前回ほ乳類の一生涯の心拍数は、約20億回と記したが、我々一生涯の心臓(血液ポンプ)の血液輸送量ってどの程度になるのか?
驚くなかれこれは世界最高の高信頼・高耐久性ポンプである。人間の心臓重量は、大体体重の200分の1くらいといわれる。例えば、65kgの体重の人→65kg×1/200≒300g程度だという。たったこの程度の小さな心臓でも次のような働きをしている。

一日の心臓鼓動数:60回/min×60min×24hr≒8万6千回/日
一生涯の心臓鼓動数:1日×365日×80年≒25億回/80年間

一日の心臓の血液輸送量:60㍉㍑/回×1/1000㍑×60回/min×60min×24hr≒5ton/日
一生涯の心臓の血液輸送量:1日×365日×80y≒15万トン/80y

従来から心臓細胞は生まれた時の数が最大でそれ以上増えることがないといわれてきている。しかし、最近の研究では、心臓細胞もわずかながら再生されているのではというようなことがいわれているようだ。

人間の体の細胞は酸素が不足したり、栄養分が足りないなどの理由で死んでしまう。特に心臓や脳神経細胞は一旦死んでしまうとほぼ再生されない。例えば、数分間心臓が止まり、血液が全身に輸送できなくなると赤血球は新しい酸素を脳に運ぶことが出来なくなり、ただそれだけで脳神経細胞は死んでしまうという。

このように体にとって本当に重要な役割を果たしている心臓は大事だというが、具体的な細かなことを考えたり、思いめぐらしたりするとその重要性が身にしみて理解が出来るようになる。

東京理科大学教授 久保寺昭子著 「からだのしくみと放射線」より引用

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