Saturday, October 28, 2006

インターネット高速電力線通信

数年前から家庭内配電線からのインターネット接続の有望性がいわれて久しいが、今年9月14日に高速PLCに関する総務省の発表が出され、家庭内配電線を使ったインターネット接続が可能となったようだ。10月28日の朝日新聞土曜版に記事が載っていた。 (Power Line Communications)

これは家庭内電源コンセントに通信機器を接続するだけで家庭内ネットワーク(LAN)が構成できLANケーブルがいらなくなるという。従来はLANケーブルを使いたくない時は、無線LANにするしかなかったが、今後はPLCという選択肢が生まれるということから利用者としては大歓迎だ。実行速度は70Mbps位になるという。今私のマンションはFTTHで100Mbpsであるというが夜の速度がなんだか7~8Mbps程度しかでないときがある。

上述のHPによると既に海外では、実用的に利用されているところもあるという。・米国では、ブッシュ大統領のPLC推進に関する声明で国民が米国中どこからでも高速インターネットにアクセスできるようにすべきという号令の元連邦政府関連機関に手続きを簡素化するよう命令を出しているという。アメリカでも色々な規制があるように日本では規制の壁を乗り越えるのが実に長かった気がする。

その他海外では、結構進んでいるようだ。
欧州
・スペイン最大手の電力会社(Endesa)が複数エリアで実証試験を実施。・ドイツのマンハイムではPPC(Power Plus Communication)が、商用サービス中。(2000軒規模)・英Scottish & Southern電力公社がスコットランド地方にて実証試験中。・オーストリアのチロル地方で学校やホテル等の公共の場所で実験中。
アジア
・中国では、国家電力の関連会社である中電飛華通信有限公司が2001年頃より北京市内で実証実験中。・韓国では、2002年にPLCの実証実験が許可され、ソウルや済州島で実証試験を開始。・香港では、2002年からホテルおよび集合住宅において商用サービス開始済み。規模は数千軒。・シンガポールでは、通信料金の価格破壊を狙って、電力系通信事業者が設備コストの安価なPLCで参入を検討中。等となって現在ではもっと進んでいるものと思う。

日本では接続機器がメーカーによってこれまた互換性がないという問題が出るという。HDDVDかブルーレイディスクかの問題も含めてもう少し利用者の側になって貰いたいという気もするが、いずれ淘汰されるか、さらには、隙間産業として互換性を目指すメーカーが出てくるなどもあると思うが、そのツケは利用者を経て結局はメーカーに戻ることになる。

今の日本では、デジタル・ディバイド(情報を持つ者と持たない者との格差)の問題がかなりあるように思う。比較的年齢が高く・企業の中でもパソコンを使わない職種の人等には、我々が当たり前のように使っているインターネットやワープロとかエクセル等殆ど使わない人達がかなりいるように感じる。使わなくても暮らしていけるが、使うともっと便利になるということの実感が湧かない状況の人達。今では小中学生がインターネットを学校で使うということが当たり前のようになっているが、そうではなかった時代の人達にはこのPLCを契機に日本全国あまねく使えるようになることがまず必要と考える。年内には接続機器が販売されるというが価格もどの程度か気になるところである。

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