Thursday, April 03, 2008

地球の水が危ないという その2

食料生産に使った水は、バーチャル・ウォーター(仮想水)と呼ばれる。読売新聞と東大沖大幹教授の研究グループとの共同調査では、食事メニュー毎に必要な仮想水の量(1人分)を計算すると、牛丼(並)1887㍑、ハンバーグ1859㍑、スパゲティーミートソース1397㍑、ご飯(1杯)238㍑、オレンジジュース168㍑だという。日本が1年に輸入する畜産物、農産物の仮想水量は533億トン(2004年)で、これは日本国内の農業に使われる総水量に匹敵するという。

世界は今ペットボトル水ブームでどこの国でも安心して水を飲むためには買って飲まなくてはならない感覚になりつつある。特に中国では、水源の水が汚染したり・腐臭を放って水道・井戸水が信用できないという。中国が2005年に消費したボトル水は、日本の7倍の1286万㌔㍑で1992年の2.8倍にふくれあがっていて、アメリカ、メキシコに次いで3位だという。また、アフリカのサハラ以南47カ国で暮らす7億人余りの人達は水道や浄化槽のある井戸など、衛生的な水源を利用できるのは55%に過ぎないという。

気候変動は、水循環をがらりと変えこれに拍車をかけるといわれる。ヒマラヤやネパールでは氷河が溶け出し一時的に川の流量が増えているというが、しかし、氷河という貯金を使い果たした後は、一転して深刻な水不足になると見る。世界の水危機は食料生産に不可欠なことから、60%余りを食料輸入に頼っている日本に跳ね返ってくる。

いずれにしても地球という唯一貴重な星の自然の営みをないがしろにするとそのしっぺ返しは計り知れないものがある。普段の生活のなかで一人一人が出来ることを率先して一人一人がやるしかない時期が既に来てしまっている。

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