Tuesday, August 28, 2007

エコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群とは、長時間(目安は6hr以上)同じ姿勢で座席に座っていると、膝の裏が圧迫されて静脈に血栓(血液の流れが滞り血液の塊)ができる病気(深部静脈血栓症)だと言う。

特に飛行機の中は、乾燥している(湿度20%以下、気内圧0.8気圧、酸素濃度も地上の約80%)ため気づかないうちに身体からは大体80g/hr位の水分が逃げているという。長時間のフライトで身体からの水分の減少と血の塊が血管中を流れて肺に行き、呼吸困難や重傷の場合は死に至ってしまうという(急性肺血栓塞栓症)。

これらはエコにミークラス以外のファーストクラス、ビジネスクラスや自動車、バス・トラック(長時間乗車)でも当然危険性はあるという。(日本旅行医学会では「ロングフライト血栓症」の名前で注意を呼びかけているという)

例えばヨーロッパに行く場合は、フライト時間12時間とすると約1リットルの水分が身体から出て行ってしまうことになる。

成田空港では、H18年度に重症患者が15人運ばれうち2人が死亡したという。軽傷を含めると年間100人~150人くらいが発症していると見られるそうだ。(朝日新聞)

症状としては、片側の足のむくみや痛みなどもあるという。症状の出る期間は、機内、空港、そして旅行後1週間以内に起こるという。マスコミ等の報道では、飛行機内や飛行機を降りた空港で歩き出した時に倒れることなどがいわれているが、家に帰ってから2~3日してから起こったものが、飛行機による血栓症だという。

機内で気をつける事は、2~3時間毎に1回は少し席を離れてトイレまで歩き、軽く屈伸をしたりする。座ったままシートベルトをゆるめて足をこまめに動かす(かかとを床につけたまま爪先の上下運動。ふくらはぎだけでも動かす)ことは必要といわれている。

また、水分を適度に取ること。水分は1時間にコップ半分くらいの水やジュースとし、コーヒーやアルコールは利尿作用があるため、脱水症状の原因になるため気をつけることが必要という。

席を離れて足を動かすことにより足に体重がかかり、歩くことでその体重を支えるため足の筋肉が全体に動いて血流を良くする。座っていると血液が脚の下方に溜まってしまうためだという。

特に、中高年の人はトイレが近くなるため水分を控えたり、隣の人に遠慮してトイレに立たない、という人が多いようですが、この謙虚さが生命の危険を招くこともありるので過剰な遠慮は禁物だという。

足の腫れや痛みが出た場合に整形外科に行ってしまい中途半端で終わってしまうことがあるというが、長時間飛行機に乗り足の腫れや痛みが出た場合には、「血管外科」や「循環器科」に行き、飛行機に長時間乗った後に症状が出たことをはっきり伝えることが大切だという。

社団法人日本旅行業協会

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