Monday, August 06, 2007

乳酸菌と腸内細菌について


健康に関する乳酸菌や腸内細菌は結構誤解をしていることが多いという気がする。

・乳酸菌は、胃や十二指腸を通過するときに胃酸や胆汁によってほとんどが死滅する
・例え死なずに腸に届いたとしても既に腸内にいる善玉菌の縄張り内に住むことが難しい(住む保証がない)
・死んだ乳酸菌は、食物繊維と同じようなはたらきをする。つまり、ジャマな悪玉菌の死骸を吸着して、体外へと連れ去ってくれる。おかげでキレイになった腸内は、善玉菌が住みやすく、増えやすい環境になる。
・そのため、善玉細菌を毎日飲み続けることで効果を持続させる
・赤ちゃんは、生後3~4日になると突然ビフィズス菌(乳酸菌)が登場して、5日目には大腸菌等を追いやって、ビフィズス菌(乳酸菌)が腸内で最大の勢力を誇る状態になる(ビフィズス菌(乳酸菌)が他の菌を圧倒するような状態になると、腸内フローラが安定し赤ちゃん自身も不安定な時期を脱し下痢や感染症を起こしにくくなる)
・便が腸の中に長い時間残っていると、それをエサに悪玉菌が増殖、悪玉菌の作り出すアンモニアやアミン、硫化水素といった有害物質が腸から吸収され、血液に乗って全身に運ばれる(便秘が長く続くと頭痛・肩こり・肌荒れなど様々な症状が起きてくるのはこのため)
・腸内で善玉菌優性(酸性)と悪玉菌優性(アルカリ性)で便の色が各々黄色-黄褐色-茶色-焦げ茶色に変わる。また便の臭いも各々弱いから強い状態となる
・腸内細菌割合は、老年期になると成年期に少なかったウェルシュ菌が急増する
・タンパク質が腸内でウエルッシュ菌などの悪玉菌に分解されるとアンモニア・アミン・インドール・硫化水素などの毒素が生成する。これが体内に吸収されて・便秘・下痢・高血圧・ガン・老化促進の原因となる。また、肝臓に大きな負担をかけ肝臓病の原因となる。乳酸菌はこの毒素の生成を防ぐ。
・乳酸菌には、植物性も動物性もない。由来が植物に限定されるものはなく、植物由来だから良いと思いこむのは早計
・カルピスは乳酸菌を殺菌して出荷している
・殺菌発酵乳をマウスに投与し続けると平均寿命が長くなる、腹水がん細胞を移植したマウスに与えるとガンの増殖を抑えられる
・乳酸菌は、例え腸に届く前に胃酸で死んだとしても、その菌体成分が小腸の免疫機能を活性化する
・死菌でも効果があることをメーカーはいいたがらない
・腸内細菌は約100種類100兆個の数がいるといわれる。(人間一人の身体の細胞数は約60兆個といわれる)Y社の乳酸菌は1個の容器に150億個の菌が居るとして全く死なずに腸に辿り着いたとしても腸内細菌全体からすると0.001%程度である。

我々は結構メーカーの宣伝文句に都合が良いように踊らされている部分もある。特に健康食品や健康器具とやらには十分気をつけることが必要な気がする。「溺れる者は藁をもつかむ」と昔から言われている。効くか効かないかに関して「プラセボ効果」というものがある。されど健康は誰もの願いであることから正しい知識を得る必要がある気がする。
(上の写真は8/4朝日新聞より引用)

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