Sunday, May 20, 2007

テレビが世の中に及ぼす影響

安部首相がいう教育再生会議の中でも議論・検討してもらいたい部分がある。それはテレビが世の中に与える影響も非常に大きいものがあると考えるからである。
よくいわれる「視聴率」の高低は業界が最も重視する指標だと。その結果、今のテレビ番組の編成となっている。

本来テレビが持つ役割は何なのかという事についてもう少し放送する側が考えるべきという点と学校等の教育にあっては、メディアリテラシーについて学ぶ機会を与えるべきという感がある。

NHKは「日本放送協会 番組基準」、民放は「日本民間放送連盟 放送基準」があるという。
NHKもそうであるが、特に民放については番組内容が現状で「放送基準」に照らして適切かどうか非常に疑問に感じる。

民放の放送基準について内容を少し引用すると、
「民間放送は、公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に役立ち、平和な社会の実現に寄与することを使命とする。
...
放送にあたっては、次の点を重視して、番組相互の調和と放送時間に留意するとともに、即時性、普遍性など放送のもつ特性を発揮し内容の充実につとめる。
1.正確で迅速な報道
2.健全な娯楽
3.教育・教養の進展
4.児童および青少年に与える影響
5.節度をまもり、真実を伝える広告 」
としている。

先日「誰がテレビをつまらなくしたのか」立元幸治 PHP新書を読んだ。テレビの品性低下について同感する所がたくさんある。
例えば、
・視聴率さえよければ番組の内容がどんなものであろうともいっこうにお構いなし
・テレビがバカを増殖させる
・ワイドショーなど興味本位に事実を伝えようとするあまり、必要もない音楽を矢鱈に流す神経
・どこを向いても韓流
・若者に媚びるドラマばかり
・お祭りの日常化(非日常の強調)
・行き過ぎた悪ふざけ
・ただひたすら情報の垂れ流し(何が重要か分からなくなっている)
等々いくらでもある。

私もそうであるためあまり大きな事はいえないが、前述の本を引用すると
「・・・テレビを見るということは、何ら努力を必要としない。与えられたものをただ眺めるのみで、そこには自主的なものは存在しない。寝ころびながらテレビという媒介を通じての政治、社会批判では、真の具体的な考え方は生まれてこない。テレビを少し遠ざけて自主的に考え行動して初めて具体的策は生まれてくるというものである。-朝日新聞 (西ドイツシュミット首相が国民に呼びかけた(1日/weekテレビを消そう)

また、こんな記述もあった。
・あなたがテレビを見ているのか、テレビがあなたを見ているのか 主役は誰だ?・・・

民放はコマーシャルで成り立っているが、ザッピング(リモコンで頻繁にチャンネルを変えたりビデオデッキ操作)問題がある。どう対処しようとしているのか? 面白くもない誇張された映像を見たくない人が多くいることがわかる。このコマーシャルを前後して同じ映像の繰り返しが頻繁に行われ視聴者を辟易させている。

放送メディアは、番組を通して良質の文化を築く役割がある。静かに思考するような番組が減ってきているという。放送局側は、謙虚さ、節度、品性など私達が大切にしてきたものから遠ざかっていっているという。

ここで再度自らの局の放送と社会への影響度合いを長期的なスパンで見つめ直して見ることが必要と考える。

No comments: